エンロンの粉飾方法

2.エンロンと公正価値会計

 エンロンは、1991年以降天然ガス売買事業を手始めに、市場価値会計を電力、パルプや紙、そして石炭など他の商品売買にまで拡張した。それだけではなく、1996年以降、エンロンでの適切な慣用表現が“mark to market”ではなく、“mark to the model”となったことに端的に示されているように、独自の諸仮定と方法に基づいた裁量的評価モデルを自由に開発し、使用することによって現在価値を求める算式が望ましい計算となるよう調整されえた。

 その契約を満たすために期待されるコストの割引現在価値が費用として認識されるために、エンロンはしばしば事業活動がキャッシュを生み出すかなり以前に利益を早期認識した。

 このように、エンロンは公正価値会計における未実現の非現金利益の計上を通じて利益を押し上げると同時に、特殊目的事業体を活用したストラクチャード・ファイナンスで営業活動によるキャッシュ・フローが減少していないように操作した。